瀬宮の球拾いブログ

エンジニアだったはずが、みんなにヘイストかける方がチームに貢献できた男のブログ

KPIボードをしゃべり場から意識高い状態に変えたい

この記事は アジャイルCasual Advent Calendar 2014 - Qiita のxx日目です。

しゃべりばis何

しゃべり場というのは昔NHKでやっていた「台本なし、司会者なし、結論なし」と言うコンセプトの番組です。

全員言いたい事を無遠慮に言い放って、結論とかでないけど言いたい事いってスッキリしたからいいよね!っていう番組です。

KPIってなんだっけ

KPIは「続けたいこと、やめたいこと、これから始めたいこと」をふせんで列挙する振り返りの一種です。 私がいたチームではKPIボードというのを使っていました。 KPIボードはKPIで書いたふせんを張る場所です。 保存する必要があるので、持ち運びできるホワイトボードを購入し、そこに貼っていました。

論旨

「言いたい事いってスッキリしちゃうことだけが目的のKPI」ってKPIじゃないよね、じゃあどうすればいい?
っていう話をします

KPIとは救われなきゃだめなんだ

KPIは一回やるだけでは意味がありません。

定期的に複数回おこない、「Problemにあがっていた問題は解決したか?」「Tryにあったことは実施されたか?」「Keepにあった試みは実施され続けているか?」をチェックする必要があります

KPIアンチパターン

Problemにふせんを一枚貼ればその問題が解決するほど社会は甘くありません。
実際には「あーあるねー」で終わっていつまでもふせんは残り続けます。
あるいは「あーあるねー」という反応すら得られず「誰かが何か言っているが俺には関係ない」になるかもしれません。

同じ調子でTryに貼られた試みは実施されません
Keepにあった試みは気づいたら消えています。

ふせんが消えるのは、事態が解決されたからではなく、提起者が諦めたときです。

「対応できません、放置します」はKPIボードに貼られたふせんに「対応しなくてもいいもの」が多数存在し始めるので、みんなのマインドセットが「ああ、ここに貼ってあるからと言って対応しなくてもいいんだ」という形に変わってしまうので、KPIボードの権威を低下させます。 かといって、KPIボードの鮮度を保つために長期間対応されないふせんをはがすことは、貼ったメンバー(問題提起した人間)の意欲にかかわります。また「どうせ問題提起しても対応されないんでしょ?じゃあ最初から書かないわ。面倒だし。」という悪魔のささやきに屈する人が増えるため、KPI活動の機能不全につながる可能性があります。

そこで純度と権威を保ちつつ、メンバーの士気をそがないために、「今はやらないが、問題としては認識している」ふせんについては棚上げリストへの移動を行います。 棚上げリストはKPIの構造を持ちつつ、KPIボードの通常のスペースとは別に作られます。

私は棚上げリストをglacier(氷河)とかgraveyard(墓場)とか呼んでました。
Magic the Gathering というゲームだとgraveyard(墓場)から特定の条件でカードを復活させる事ができるので私はこの呼称を気に入ってました。

アイスボックスという呼称もありますが、アイスボックスは、将来的に取り出すことを前提としそうな感じがあります。 しかし現実問題として、墓場に移動したふせんはたいてい復活しません。 「対応する必要がある問題」とみんなが認識していないからです。 なので、むしろふせんを貼ったメンバーのモチベーションの冷却のために存在します。

氷河にすぐに対応しない付箋を移すと、KPIボードのメイン部分を残ったホットで重要度の高いもので占めることが可能です。

結論なし、対応なし、しゃべってガス抜きしてスッキリして、明日から何も変わらない状態から脱却できます。 私はこのメイン部分をホットプレートと呼んでいました(早く対応しないと焦げるから)

すなわち、KPIのメイン部分にあるからにはなにかしら対応せねばならない、対応できないということは我々に問題があったということだ、という意識高い状態にメンバーのモチベーションを維持しやすくなります。

皆様のKPI、しゃべり場になってませんか?