チーム用チャットにサマリーKPI通知bot作ってみた
Advent Calendar
この記事はProduct Owner Advent Calendarの3日目です。 Product Owner Advent Calendar 2015 - Qiita
挨拶
こんにちは、瀬宮です。 プロダクトオーナーの役割の1つとして、チームをまとめ、市場的成功のために努力するというものがあります。 今回はチームメンバーの意識をまとめ市場的成功のほうを向かせる努力をした話をします。
やったこと
他社のチャットで定期的にプロダクトのサマリーデータを通知するbotがいて、便利そうだったので自分のプロジェクトでも実際に作ってみました。
このbotはチーム向けチャットに自動でつぶやきます。
チャットに載せる情報はチームメンバー向けです。
注意
この記事ではbotの実装には触れません。 hubotで作った系列と直接Slack APIを叩く系列があります。
botにデータを流させることで達成したいこと
- 数値をもとにした行動の改善
- 自分を含むゲーム開発メンバーの士気の向上
- プロダクトの市場反応の監視
- 市場反応の異常値の検知
やったこと
上の4つの目標を達成するために、botを作成し、チャットで色々話させてみました
数値を選ぶ上で
数値を選ぶ基準はだいたい以下の通り
数値が変化すること
滅多に動かない数値を取っても何もできません。
わかると嬉しいこと
その数値がわかることで、なにか嬉しいことがなければいけなません。
特に何かに使うあてもないが、重要そうだから、では数値はとりませんでした。
上の目的に沿わない数字はとりませんでした
数値をもとにアクションを取れること
取った数字をもとにアクションを取れる数字を取りましたた。
アクションにつなげづらいものは後回し=とりませんでした
わかったこと
botを作ってわかったこと
時間
botがつぶやくのは朝の9時頃がよいです。
一気にやる気が上がるし、今日も1日がんばるぞい感が出ます。
ユーザーの購入は夜中心です。朝だと販売の伸びが一段落していて1日の売上の確報感があります。
逆に夜は売上実績の数字が上がっている最中で、確報感がありません。夜に出そうとするのは良くなかったです。
数値を多数出すのは良くない
出ている数値が多いと、知りたいことを知るためにそれが分かる数値を探すが、それが「ウォーリーを探せ」状態になるからよくなかったです。
チャット上の発言だと特に探しづらいです。
また、各人がその数値の群れからそれぞれ「各人が見たい情報」を拾ってしまう(もっというと、見たいものを見たいように見てしまう)ので、共通の見解が得られないです。
多くの数値を載せることはMTG資料ならそれでもいいですが、チャットの速報は天気予報のように、「短期間で短期的な現状をさっとわかるようにすること」が目的なので今回は避けました。
数値は絞る
各位に「知らせたいこと」をもとに数値をピックアップします。
現状を的確に表す情報は、週報を出すより、日報で出した方がよいです。
必要なら時報でもありです。
逆に多数の数値を並べても景気付け以上の意味はなく、逆に前述のマイナス効果が強くでました。
数値は変える
発売直後と発売一ヶ月後だと数字の伸びがまったく違います。
我々の場合、発売初週で売上の過半を出すので、必然的に時間が経つと日毎売上が萎れていく様が明示されてしまいます。
士気を上げるために景気の良い数値を見せたいので、発売直後は1日ごとの販売数を、販売から期間が経ったら累計数と前作同時期比を表示します。
市場反応にメンバーの興味を向ける
メンバーが数値を毎日目に向けるようになり違いにすぐ気付くようになって、プロダクトと市場反応の関係に興味を示します。
つまりメンバーがユーザー目線を持ち、「このプロダクトは売れるか?」を気にするようになります。
見せる数値は絞るけど裏で貯める
絞っているだけで、想定された事態が惹起されたときに分析するための数値は貯めておきます。
ログそのものは残っていても、何かあったときにそれを取り直すのは面倒があります。
面倒があると「面倒くさいからいいや」になってしまいます。
異常時は知らせる
異常時、つまり急な売上の上昇や沈滞などの事態には、botがメンションを飛ばし「これはヤバイ」感を示す必要があります。
グッドニュースなら祭り感が出るし、バッドニュースなら連携して解決しよう感が出ます。
botを作ってよかったこと
数字を見たチームメンバーから改善案が出たこと
「売上が初週以降すぐ落ちる、パッケージとマーケティングがいけないのではないか」
というような提案がよく出るようになりました。
チームメンバーの意識の変化
常に数字を見せるため最終的な市場での実績をゴールだと考えるようになりました
チームメンバーが製品の開発だけでなく売上のことまで考えてくれるようになりました
酒が美味くなった。
「今回は成功したか?」「前回に比べてどれくらい成功したか?」が明確に分かります。
明確に分かるから、メンバーは、リリース時ではなく、販売直後の販売実績速報値を見て祝杯をあげるようになりました。
このときに気持ちよく酒を飲みたいために、「リリースまでの開発的成功」から「販売の市場的成功」に強い責任を感じるようにマインドが変わりました。
結論
俺たちは登り始めたばかりだ、このチャット用bot実装坂をよう