瀬宮の球拾いブログ

エンジニアだったはずが、みんなにヘイストかける方がチームに貢献できた男のブログ

インセプションデッキを作る上での危険信号

この記事はアジャイルカジュアル Advent Calendarの1日目です。

インセプションデッキを作るときに、「このプロジェクトをこのまま進めたらヤバい」という危険信号がある。

それが出ている状態で進めると、だいたい炎上することになる。
炎上とは最後に燎原の火のごとく燃え広がるが、その火種は初期の段階から存在する事が多い。
もし火種を見つけたら、消してほしい。それが無理なら止めるか、せめて上司にエスカレーションした方がいい。
火種は恥ずかしがり屋なので、開発のカオスに隠れていないと自分の力を強める事は出来ないからだ。

今回はその実例を書く

パターン1.エレベーターピッチを作る が すごいゆるふわ

エレベーターピッチというかこのプロダクトを一言で言うと?でもいいと思う
例えば、飲食店を作ろう!というテーマで
良い例としては「最高の洋酒とそれに合うツマミを出すBAR」みたいな感じ。
聞いただけで頭の中にイメージが湧いてくる。
たぶん暖色の照明があって、主張しすぎないBGMと木製の机の上に、ヒゲのマスターが進めるメニューがあって、ナッツと一緒に頼むといい感じのウイスキーが並んでいるのだ。
トリスのソーダ割を頼むと蹴り出されるかも知れない。
響12年のシングルがたぶん980円くらいだろう。

では逆に悪い例は?「うまい食事をお手頃な値段で出す店」
限界まで抽象化を推し進めたような感じの言葉出てくるとヤバい。
飲食店だからうまい食事が出るのは当然であり、まずい食事を出す飲食店を作りたいやつはいない。
お手頃な値段って?牛丼いっぱい380円?それともワンコイン?ディナーだから3000円?それをはっきりさせないままってのはヤバい。

でもマネージャー側の思惑は、自分でもよく分からないからチームで手探りで進んでいって、その過程でいい感じのところに着地するのを期待しているケースが多い。
そしてたいてい着地しない。そして燃える。

パターン2.パッケージデザインがカオス

例えば男性向け映画を作ろうと言う企画で、パッケージデザインが「文字だけ」「ゴジラっぽいのがいる」「ヤクザ映画っぽい」「ポケモン」という素案の間をうろうろするという事態が発生する。
これは実態としてはリードする人間が複数いて、彼らはグランドデザインをゆるくしておいて、なんとか自分のやりたいことをねじ込もうとしたり、自分のやりたい方向にねじ曲げようとしている状態が多い。
始める前に方向性が統一されないまま中途半端に具体化しようとしている状態で発生する現象だったりする。
こうなると力関係や興味の濃淡の変化で方針転換が多数発生するし、終盤でダメだしと称する事実上の「俺のやりたい方向への強制方針転換」が発生する。
これは方向性の統一されないまま開発を進めてしまって、その過程でモーグルのように複数の方針の間を行き来する現象が発生する事が約束された状態なので、必ず燃える。